Game 2雑感

LeBron Jamesのファウルについて。ゲーム開始早々に Jamesは 2 personal foulでベンチに引っ込みました。この James抜きでの時間帯に Spursがさらに点差を広げてゲームの主導権を握ることに成功しました。ゲームを終わってみれば Jamesのトータル PFは 3。結果論から言うとあそこでがまんして Jamesを出し続けた方がよかったということになります。ただ、あそこでもうひとつもらっちゃったらかなりやばくなるので、Jamesをベンチに下げるのはまっとうな判断だったと思います。Jamesがプレイできない事自体よりも、コート上の選手の動揺の影響の方が大きかったように感じました。Game 2に気合を入れて臨んできた Cavsは肩透かしを食らったような形でしたね。


大量点差がついたゲームは難しい。どうしても手が緩んでしまいます。勝っても相手が次のゲームへの良い流れのきっかけを掴む場合もある。Ginobiliの 4ポイントプレー、Parkerのサーカスショット、ミッドレンジジャンパー、などが入ってなければもっと僅差のゲームになっていたでしょう。


Gibsonについて。相変わらず好調ですね。オフェンスもディフェンスも。「スターターで使え」という声が聞こえますが、すでに Playing Timeは Jamesに次ぐ 31.51 minです。スタートするかどうかはあまり関係ないでしょう。Hughesはゲーム開始直後は良く動けていたように見えました。


Cavsは Parkerに対して外からのミッドレンジジャンパーを打たせるように仕向けています。「確率の高いレイアップを打たれるよりはそっちの方がいい」という判断でしょう。ただ、今年の Parkerはシーズンを通してこのミッドレンジジャンパーをかなりの高効率で決めてきています。Game 1では今ひとつでしたが*1。彼の今年の一番向上した部分だと思います。相手にとっては非常にやりづらいでしょう。Parkerの活躍をすべて Hughesの責任にはできないでしょう。ヘルプが必要だし Hughesは 20minしかプレイしてないし。Snowがマッチアップするとさすがに Parkerはペネトレイトしにくそうでしたね。Gibsonはずいぶんアグレッシブに守ってますね。「ちょっと行き過ぎなんでは?」と思うぐらい。あまり密着マークしすぎるとぶち抜かれやすくなります。それだけ抜かれない自信があるということかな。


Jamesのシュートフォームについて。あまり綺麗なフォームとは言えません。肘が外側に出ています。彼のジャンプショットの確率が高くない理由のひとつだと思います。まあ、いわゆる基本とは程遠いフォームでも高確率のジャンプシュートを撃つ選手は結構います。Pistonの T. Princeも肘がずいぶん外側に出たフォームですが、いいジャンプシューターです*2。逆にえらい綺麗なストロークな割には入らないというパターンもあります。シュートなんて入ればいいだけですから、究極的はどんなうち方でも入ればいいとも言えます。人それぞれの体格にあったフォームというものもあるでしょう。ただ一般的にはやはり基本に忠実なフォームの方が確率は高くなります。特に疲れてきたりオフバランスで撃つ場合などに顕著に違いが出てくると思います*3。Jamesは生涯今のフォームのままで貫くのか。Parkerも変な癖*4がありました。それをここ 1, 2年で矯正してきてジャンプショットの確立がぐんと上がってきています。Jamesのミッドレンジのジャンプショットの確率が安定して高かったらとてつもなく恐ろしくなるでしょう。D. Wadeの恐ろしいところのひとつは、彼のミッドレンジジャンプショットです。どんずまりのような状態で普通はショートしてしまいそうなものでもちゃんと入れてきます。Kobe Bryantも NBAに入ったばっかりの頃はあまり綺麗なジャンプショットフォームではなかった。これは肘ではないですが。C. Anthonyはすばらしいジャンプシュータですね。彼は大学時代からすごかったしフォームも綺麗。


青木功のパッティングのようにいわゆる"基本"とは全く相容れないやり方でトップになってしまうというのも見てる側としては痛快で面白いですが。天才には常識は通用しない。

*1:フロントリムに当てるのが多かった

*2:僕が一番好きで嫌いな Pistons Playerかも。選手としては好きですが対戦相手としては嫌な選手です。

*3:試合開始直後はジャンプショットは良く入ります。大体の場合ね

*4:これは Jamesとは逆に肘が妙に内側に入りすぎでした