何がおもしろいのか

ボードゲームや ASLをやっていて共通して僕が面白いと感じる部分があります。それはゲームに勝つための大きな方針を立てることと、状況に応じての即興を組み合わせることです。


方針を立てるという部分では、ゲームの勝利条件やそれをクリアするためにはどうすればよいか、さらに対戦相手に対してどうやって有利な条件に立つかなどを考え試行錯誤するわけです。いろんな方針でプレイしてみて実際どれがうまくいくのかを試したり、さらにそのやり方を相手にされた場合にどうやって対応するかも考える。ボードゲームの場合、ずーっとやりこんで行くとだんだんパターン化してきて面白みがなくなってきたりしちゃいます。Puerto Rico, Power Grid, Amun Reなども何度も連続でやっているとさすがに飽きが来ます。それでもこういった名作ゲームは機会を見ては取り出してまたプレイしたくなります*1


あるゲームを前にして、勝つためにはどういった方針で進めていくのがいいのかをいろいろと試行錯誤するのは楽しい。


次の即興の部分。相手の出方による軌道修正、自分と相手プレイヤーの運不運に対応するための軌道修正などのことです。ゲーム進行中はまず必ずといって自分の思うようには事は運びません。相手が自分の予測しないような手を打ってきた場合は、それに対応する新たなる手をそこで考え出さないと相手に有利に立たれてしまいます。また運の要素が入っているゲームの場合は自分の幸運を最大限に生かし自分の不運は損害が最小限になるような手を考えるわけです。相手の不運はそれを最大限に生かし、相手の幸運はその効果が最小限にとどまるように努める。


この予期していないイベントに即興でうまく対応できると楽しい。


繰り返しになりますが、要約すると「ゲーム前に勝つための計画を立てること、ゲーム中に予期していないイベントにうまく即興で対応すること」が楽しい。


なので僕にとっての面白いゲームは「勝つ方法が沢山ある」「ほどほどに運の要素が入っている」「その運の要素も対応次第で大きくもなるし無効化することもできる」などの条件を満たすものなのだと思います。


そして話は ASLを絡めた展開に。ASLの面白いところはまずそのシナリオの多さ。数だけなら一生かかってもできないぐらいの物が出版されているのではないでしょうか。公式のものとサードパーティのものを含めると。いいシナリオに限定するとその数はがくっと減るようですが。そのいいシナリオでさえ僕にとってはまだまだ手に余るほどあります。そして各シナリオによってそれぞれ勝ち方を考えなければいけないわけで、上に挙げた「ゲームに勝つための計画を立てる」の部分がシナリオ毎に変わってシナリオごとに頭を悩ますわけです。シナリオの多様性が「ゲームに勝つための計画を立てる」という行為をマンネリ化させにくくさせると。


次に ASLにおいての「運の要素」と「その対応」について。ASLもほとんどのウォーゲームと同様に、ダイスを振ってその結果から戦闘結果を導き出します。その結果、低確率の攻撃が当たったり高確率の攻撃がスカだったり、その他の運不運がゲーム中ではてんこ盛りです。そしてそのハイロールやローロールの出るタイミングもこれまた重要です。自分の不運なタイミングでの不運なダイスロールにはがっくり来ますし、同様に相手の幸運なタイミングでの幸運なダイスロールにも「くっそー」と思ったりもします。ただ、ゲームとしての面白さを考えた場合、こういった予期しない状況こそ腕の見せどころなわけです。いかに自分の不運なダイスロールに対応するか*2、いかに相手のラッキーロールに対応するか。逆もしかりで自分のラッキーロールを最大限に生かし、相手の不運なダイスロールを自分にできるだけ有利に活用する。なので、ダイスロールであまり一喜一憂しすぎないで、冷静に状況を見極め「ここが腕の見せ所」「こういうのに対応するのが面白いとこだろ」と考えてプレイしたいと考えています。ダイスロールだけで勝つゲームをしたいなら ASLなんてやらないで、たださいころ振っていればいいわけですから。


とは言っても ASLでは場合によっては本当にダイスロールの運不運で勝敗が決してしまう場合があるわけです。ま、それはそれ。勝ち負けだけがすべてではなくてその過程が楽しいわけですから。


僕の限られた ASL経験からすると、僕がまずい手を打ったときにはかなりの高確率で、その報いのようなダイスロールで打ちのめされます。これはこれでいいのかもね、長期的に考えた場合は。嫌な記憶が刷り込まれて、次は同じ過ちを犯しにくくなるので*3


相変わらず徒然に書きなぐりましたが、徒然草なので ok。


ASL以外で現在興味があるのは Paths of Glory, Combat Commander, A Victory Lostの 3点です。VASSALのみじゃなくてコンスタントに FtFでプレイできる相手がいればなあ。Combat Commanderはプレイ時間が短いのがいい。カードドリブンで縛りがあるのも実は好きだったり。


追記
ボードゲームやウォーゲームには上に挙げたものにプラスしてなんか言葉では説明できない面白さもありますね。スキーの面白さ、ゴルフの面白さなどを言葉では伝えられないのと同様に。実際やってみるだけでその面白さの片鱗は味わえます。


追記
ただボードゲームやウォーゲームで難しいのは、スキーやゴルフの場合はとにかくやってみるというのが比較的楽。道具やらその場に行くことなど面倒な部分はありますがそれさえあれば下手なりにプレイできます。ゴルフの場合は「このボールをクラブで打ってあそこの穴に入れればいい」と説明すればいいだけだし、スキーの場合はスキー場に行って*4装備を付けて*5あとは「この坂を滑ればいい」と説明すればいいわけです。初心者のダメダメプレイでも初心者なりに楽しめるわけです。


ボードゲームやウォーゲームの場合の壁はルールを覚えること。そしてダメダメプレイでは楽しみにくいという点ですかね。ダメダメの程度にもよりますが。やっぱり最初はルールがシンプルでダメダメプレイでもそれなりに楽しめるようなゲームがいいですね、今まで全くボードゲームやウォーゲームの経験がない人、またはいわゆるカジュアルゲーマーが相手の場合は。ゲームの魅力に取り付かれている人はほっといても勝手にルールを熟読したり戦略なりを考えたりするのでこういった気遣いは無用ですが。

*1:実はどれも自分では所有していないので取り出したくも出せない

*2:予備のプランを考えておくとか

*3:しないとは断言できない

*4:これはこれで面倒くさい

*5:これも面倒