Liar's brain

National Public Radio(NPR)のこの記事から。オリジナルの記事へのリンクをそこからたどることも出来ます。University of Southern Californiaの Yaling Yanと University of Pennsylvaniaの Adrian Raineらによる研究結果について。


かいつまんで言うと、「常習的な嘘つき」の脳に物理的な特徴を見いだしたと。MRIを使用した実験です。脳は灰質と白質と呼ばれる組織に分けることが出来るそうですが、「灰質=ストレージデバイス」で「白質=ワイヤー」という役割分担だそうです。常習的な嘘つきの前頭連合野を見ると常人に比較して 22-26%多い白質があったそうです。すなわち嘘つきは、より多くの神経コネクションを前頭連合野に持っているということだそうです。ぱっと嘘をつくにはより複雑な脳が必要であると言うことだそうです。


自閉症患者は嘘をつくのが苦手だそうですが、実際に自閉症の患者の前頭連合野の白質は常人のそれよりも少なく、また自閉症の子供の白質の発達は普通よりも遅いそうです。


実験手法、統計処理等は完璧ではないので、これで全てが説明できるという代物ではないですが、とっかかりとしては面白いのではないか、というレベルの話だそうです。


常習的な嘘つきであることは社会生活を営む上では問題有りですが、ハードウェアとしての脳はより高機能であるといえるということかな。面白いですね。


即興で脈絡のないところからアイデアをつなげてまことしやかな嘘をつくというのは、論理的な思考力とは別物ですからねえ。この才能を別のことに有効利用でいないものか。


では、「この特徴の脳を持つ人は常習的な嘘つきなのか?」というと、それは違うと思います。常習的な嘘つきと同じような、突拍子もない考えを常にしている人は同様の特徴を持ってくると思います。